2022年創業50周年を迎える高知県高知市の酔鯨酒造。スーパーなど生活に身近なところから、高級レストランに並ぶ銘柄まで飲むシーンに合わせた展開が特徴的です。
「世界の食卓に酔鯨を」というビジョンのもと、「Enjoy SAKE Life」をテーマに、日本酒を楽しむ新たなシーンを体感出来る様々な試みを国内外にむけて積極的に発信しています。
「より多くの人に酔鯨を知って欲しい」、「お酒をもっと自由に楽しんでほしい」という想いから生まれるもの。こうしたストーリーを持った展開の裏側を営業部の山崎さんに伺いました。
Q.2013年に大倉社長がビールメーカーでの営業を経て酔鯨に入社してから、酔鯨酒造は大きく変わりました。どのように変えたい・変える必要があると考えていたのでしょうか?
大倉が社長に就任した当時、既に国内の日本酒の消費が縮小し続け、酔鯨も大きく縮小していました。100年後に蔵を残していくために、国内はもちろん世界で勝負できる酒であることが必要であると考えていたと思います。
「世界の食卓に酔鯨を」を明文化することで、そのために何が必要なのか社員の我々も自ら考え、取り組んでいく姿勢が生まれたと思います。
Q.実際にはどの様な改革が成されたのでしょうか。
2016年にリブランディングをし、商品ラインナップ、酒質、ラベルの見直しを行いました。例えばラベルでは、日常酒は「鯨のイラスト」、特約店限定の高級酒は鯨の尾びれをデフォルメした「テールマーク」に統一し、海外の人が一目見て直ぐ覚えられる様なキャッチーなデザインにしました。様々な苦労もありましたが、結果として、売り上げ増加に繋がりました。
また、品質管理の為に販路の見直しを行いました。より良い品質のお酒をお客様にお届けするために、2018年に特約店制度を導入しました。多くの酒販店様にご協力をいただき、蔵元からお客様まで、適切な温度帯での輸送、保管体制を実現することができました。
Q.スーパーへはどの様な想いから展開していったのですか?
酔鯨としては「日常の食卓に並んで欲しい」「まずは知ってもらいたい」と言う想いがあり、一人でも多くの人に手にとってもらえる様、身近な場所で買える機会を増やしたいと考えています。
日本酒が食卓に登ることが当たり前になるように。日本酒が楽しめるシーンはまだまだ可能性があると感じさせてくれる
Q.2020年度売り上げが過去最高益だったそうですね、どのような工夫があったのでしょうか?
コロナ禍で厳しい状況が続いておりましたが、そんな中でもできることを考えチャレンジし続けてきました。酔鯨絵本の発売や自宅で愉しめる高知の食材と酔鯨のお酒のセット商品の発売、錦戸亮さんと赤西仁さんのYoutubeチャンネル「NO GOOD TV」とのコラボ日本酒発売など、異業種コラボも積極的に行ってきました。一人でも多くの人に酔鯨を知ってもらえるように、新たな取り組みを続けてきたことが実を結んできたのではないかと思っています。
他には、日本酒全体の輸出量が年々伸びていることも大きな後押しとなっております。
Q.酔鯨酒造のHPは、想いや活動が見やすく、良い意味で酒蔵ぽくない雰囲気なのが印象的ですね。
2020年8月にリニューアルしました。HPは酔鯨を知っていただくための大事なツールの一つですので、見やすく、分かりやすいサイト作りを心がけています。また、より愉しんでいただけるコンテンツの充実を図っていきたいと考えています。
2018年に建てられた土佐蔵。商品の中でもハイエンドなのものが製造される。夏場はテラスで試飲も楽しめるそう。
Q.多様な企画、新しい工夫が次々と生まれているのが非常に面白いですね。
興味を持ってもらえるきっかけ作りとして、毎月広報誌「SUIGEI JOURNAL」を出したり、コロナ禍以前はイベントを定期的に開催、Youtubeにも力を入れ、女性社員が日本酒の楽しみ方を紹介しています。
日本酒造りを分かりやすく伝えたいと言う想いから絵本を作成したり、キャンプで味わう、焚火専用日本酒「SAKE TENT HOUSE」をクラウドファンディングで発売。出来ることは何でも挑戦していきます。
「Enjoy SAKE Life」をテーマに開催したイベントの一つ、会場は何と京都のお寺という非日常空間をお酒と共に楽しめる内容。
Q.こうしたアイデアは社員の方から生まれているのですか。
社長発信もあれば従業員発信もあり、色々なところからアイデアが生まれています。また、ブランディングに関してはプロジェクトチームがあり、ラベルデザインなどをお願いしているブランディング会社にもご協力をいただいて、様々な取り組みを実施しております。
酔鯨を飲めるスポットが検索できるアプリ(SUIGEI MAP)や、「Enjoy SAKE Life」をテーマにした個性的なイベントを各地で開催。時代を先取りし日本酒の魅力を伝えている酔鯨酒造。多方面で感じられる攻めの姿勢が心地よく、それがお酒の味にも反映しているように感じられました。
2021年発売の3つの柑橘(ゆず、小夏、直七)を使った「かじゅ39」。今後は清酒を使ったリキュールにも力を入れていく予定です。
果汁使用割合39%なので、ストレートはもちろん、ロックでも炭酸割りでもおすすめ!
【基本情報】
酔鯨酒造株式会社
URL:https://suigei.co.jp/
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