haccoba -Craft Sake Brewery-(はっこうば)は、2021年2月に福島県南相馬市小高に誕生した酒蔵です。自由な酒づくりにより「日本酒を拡張する」ことを目指して活動しています。
代表の佐藤太亮さんは飲食店アルバイトの経験から日本酒造りに興味を持ち、世界へ発信する会社を設立したいと考えました。しかし、清酒の新規参入は認可されておらず、「その他の醸造酒」というカテゴリでの免許取得になると分かった時、日本酒やビール等ジャンル分けされていないだけに、可能性を無限に広げられると感じました。何もない所から新たに文化を立ち上げることに共感した、福島県南相馬市小高の方々の協力を得て拠点を構え、町の方達と一緒に文化を開拓しています。築50年の民家を改装し酒蔵と飲食スペースが併設した「ブリューパブ」をつくり、、町の憩いの場になっています。
「お酒って言うのは今の酒造法が制定される前は、家庭で好きなように楽しむものだったのだと思います。私達の信念は伝統製法をベースに自由な酒づくりを追求し、お酒のフロンティアを開拓し続けることです。漬けものと同じ感覚で、家庭でつくることを楽しんでいた時のような独自手法と現代の手法が合わされば、誰も見たことのない新しくて美味しいお酒をつくれるのではないか。そんなお酒をつくる楽しさも分かち合えるような商品を届けたい」と佐藤代表は語ります。
昔の家庭醸造の貴重なレシピ本「諸国ドブロク宝典」を参考に試行錯誤の結果、幻のどぶろく製法「花酛(はなもと)」を再現することができました。
花酛とは、東北や北海道に自生している東洋のホップ「唐花草」を用いる醸造法のことです。「その他の醸造酒」では、清酒造りとは異なる副原料を用いることで、多様な味わいを生み出す自由な醸造スタイルが可能になります。
そんな幻の花酛をベースにしたお酒が「はなうた」シリーズでホップのアロマな香りと苦味を表現している。
また、「おこめのスタウト」は米麹を焙煎して仕込み、黒ビールの香ばしさと深いコクを取り入れたお酒です。上記商品はお酒愛好家の方々の間でSNSで話題となり現在完売中。「はなうた」シリーズは定番のお酒として再販予定とのことなので楽しみですね。
定番シリーズだけでなく、アーティストとコラボレーションをしたお酒を造られているのも特徴です。チャイアーティストとコラボした「CHAI doburoku」。インドの飲み物チャイのやさしい甘みとミルキーさを表現したスパイスの香りが広がるミルクティー色のお酒です。
「つくり手を増やしたい。新しいつくり手が増える度にメーカー全社でコラボレーションしたお酒をつくり、自由な酒づくりの輪を広げていきたい」と佐藤代表は意気込んでいます。自由な酒づくりの挑戦はまだまだ始まったばかり。無限に可能性が広がっていますね。
【基本情報】
haccoba -Craft Sake Brewery-
福島県南相馬市小高区田町2−50−6
URL https://haccoba.com/
Comments