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京都で感じるイタリア気分/Salsiccia!DELI



不思議な雰囲気が漂う京都・出町柳。鴨川に架かる荒神橋の近くには何やら秘密基地のようなお店が。2018年創業のSalsiccia!DELIはサルシッチャ専門店です。サルシッチャはイタリア語で「ソーセージ」という意味で、ハーブ等を一緒に詰めることも。店主・鈴木さんが作る「いつもの」サルシッチャは粗挽きで、肉の旨みがたっぷり感じられる味がリピーターを増やしています。添加物を使用しないこだわりも人気の理由のひとつ。肉汁がジュワーッと溢れて肉肉しい食感と鼻から抜けるハーブの香りに食欲がそそられます。


Q. 創業までの経緯をお伺いします。


そもそも子どもの頃から将来は食べ物屋さんになりたいと考えていました。

料理、というより食べ物屋さんがやりたかったので、はじめはラーメン屋さんで働いていました。お給料が良かったので。そのお店で4年務めて「そろそろ料理も勉強したいな」と思っていたら、偶然イタリアで働けるチャンスが降ってきました。そこから3年間、イタリアでレストランや精肉店で働くことができました。

帰国してからは、料理だけできてもお店はできないと思っていたので、料理と全く関係ない仕事ばかりしていましたね。例えばハウスクリーニングの仕事をしていたんですが、レストランの厨房で働いていた時、特に下働きのときは仕事の大部分が「掃除」で本当に大事です。だから「掃除のプロ」になろうと思ってやっていましたね。

お店ができたら宣伝もしないといけないなと思って、ホームページ制作の仕事をしたり、広告代理店みたいなところでも働きました。「電話でお客様から叱られる仕事」とかもしましたね。

2年ぐらい過ぎた頃、そろそろ飲食業に戻りたくなってきて、いずれ自分のお店もやりたいなと思ったんですが、資金もありません。だれかお金持ちが引っ掛からないかな、と思って、何か夢のある感じのブログを書きはじめたんです。

そうしたら本当にうまくいって。ブログのコメントから応援してくださる方が見つかって

、29歳で中目黒に最初のお店をオープンしました。


Q. サルシッチャを作ろうと思ったきっかけは何ですか?

帰国してしばらくしてから、イタリアに住んでいた頃にご近所に住んでいた日本人の友人と再会しまして「サルシッチャはイタリアでは日常的に食べられるものだけど日本には無いよね」という話になりました。私はイタリアで精肉店やレストランで働いていたので、サルシッチャも作れましたから、私がみんなのリクエストに応えて作ることになったのが最初

です。それが友人の友人、その知り合いにまで広まっていって、いろんな方から作って欲しいと頼まれるようになりました。この頃にさっき話したブログも書きはじめていて、色んな縁が重なって「salsiccia!DELI」としてお店をはじめることになりました。



Q. サルシッチャを初めて口にした時しっかりした肉の味を感じました。イタリアのどの地方でもこのような味でしょうか?


どの地方でも同じではないと思います。

私はトスカーナ地方のフィレンツェという町に住んでいたので、そこで食べたり習ったりしたレシピを基に作っています。

もう長い間 日本で色々考えながら作っているので、今の当店のサルシッチャがトスカーナっぽいかどうかもわからないですね。おいしいとは思います。

サルシッチャはどの地方にも 古くからあるレシピなので、これといった正解があるわけでもないと思います。

イタリアでは当店で作っているようないろんな種類のサルシッチャは見かけないですね。

10年以上サルシッチャを作っているので、色々試してみた結果、いろんな種類ができました。今は毎週三種類を週替わりで作ってます。

フェンネル*シード入りのサルシッチャはトスカーナ地方でも見かけますが、山椒入りのサルシッチャはうちのオリジナルだと思います。


*セリ科ウイキョウ属の植物のこと。日本ではウイキョウと呼ばれることが多いです。


Q. 原料について、使用する豚肉はどのように決めていらっしゃいますか?


なるべく京都から近いところのお肉を選んでいます。当店で加工してお客様にお譲りするものなので、鮮度が良いものをいただけるようにお肉屋さんとよく話しています。もちろんお肉の品質もお値段も大事なので、いちばん大事なのはいいお肉屋さんとのいい関係ですかね。


Q. サルシッチャの美味しい食べ方を教えてください。


特に決まりはなくて、私はパスタにしたり・チャーハンにすることもあるし、単純に焼いたりゆでたりして野菜と合わせて食べることもあります。「冷蔵庫にあれば便利」という考え方を持っていただけると嬉しいですね。

丸ごと一本で焼く時のコツをよく聞かれるんですが、細かく言うときりがないので難しいですね。グリル板で焼けば、あまり火加減を気にしなくてもそれなりにうまくいくと思うので、最近はよくお勧めしています。



Q. 営業時間が11時27分〜17時2分と面白いですね。これには何か理由がありますか?


当店は営業時間がいろいろあるので(月・定休 火金・販売のみ 水木・販売とテイクアウト 土日・販売と飲食店営業)、少しでも営業時間を印象的にすれば覚えていただきやすいかなと思ってやっています。

あとはお客さんとの話のネタにもなりますしね。



居心地の良い店内ではサルシッチャのテイクアウトの他、鈴木さんがイタリアで学んだ家庭料理やおいしいワインがいただけます。鈴木さんとお話を楽しみながらディナーできるのも魅力的です。またホットドッグもテイクアウトできるので鴨川でピクニックもいいですね。

取材に応えながらてきぱきと注文をとり、厨房を磨き上げる鈴木さんの姿はまさに職人そのもの。最近ではサルシッチャ君をメインにしたYouTubeチャンネルの開設や漫画の執筆など、飲食業以外にも幅広く事業を拡大中とのことです。それらは基本的に鈴木さん1人で担当していらっしゃるようで、ここでも職人のような鈴木さんの姿が窺えました。


【基本情報】

Salsiccia!DELI

URL:https://salsicciadeli.kinugoshi.net/


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