日本酒を体験として届けるブランディング
~ライフスタイルで味は変わる~
全国の酒蔵・生産者さんにテーマごとにインタビューをして、発信する。
SAKE Springの想いでもある「生産者さんの可能性を広げたい」「生産者さんと一緒にサケスプを盛り上げていきたい」を実現するべく”人”に着目した記事を更新していきます。
第1弾は「代替わりで蔵を支える”人”」
1人目は増田德兵衞商店の増田醇一さんです。
増田德兵衞商店 増田醇一さん
増田德兵衞商店は1675年京都市伏見区で創業した酒蔵。代表銘柄は「月の桂」。
今回インタビューさせていただいた増田醇一さんは、2019年に増田德兵衞商店に入社。その後2022年に代表取締役に就任されました。
継ぐまで
増田さんは名前が「醇一」であることから、幼い頃から「醇一の醇は醇酒の醇だね」と言われ、継いでほしいという親の想いをその当時から感じていたそうです。しかし、幼少期でお酒の味も良さも知らなかったため、「継ぐ」という気持ちはなかったのだそう。常に新しいことに興味が湧く増田さんは、京都を離れ東京の大学に進学しました。気持ちに変化があったのは、2016年にアメリカ(NY)へ行ったとき。BARやナイトクラブで鏡開きをしているのを見て、世界での日本酒の可能性を感じ継ぐことを決心したそうです。とは言っても、日本酒を海外に売り出すための知識が不足している状態で、いきなり継いでも世界進出は厳しいと考えた増田さんは、2017年に東京の広告代理店に就職。それから2年後の2019年に増田德兵衞商店に入社されました。
これから力を入れたいこと
代表取締役に就任してから、そしてこれからも力を入れていきたいと仰っていたのが「ブランディングに力を入れること」。どのようなブランディングかというと、1つはにごり酒・古酒の価値付けです。日本で最初ににごり酒を造った増田德兵衞商店は、手造りを追求する精神を大事にされています。昔から変わらず手造りを追求することで人の感覚でしか生み出すことのできない味を出しているのだとか。手造りを追求するという点では、空調技術が発達していて暑い日でも酒造りをできる時代になっていますが、今でも冬にだけ酒造りをするのだそうです。ブランディングの2つ目は、20代やこれから日本酒を知る人に「日本酒を体験、ライフスタイルとして届ける」ということ。古くから続く酒蔵の中には「うちは〇〇吟醸のこの味なんだ」と固い印象を受ける酒蔵があります。しかし、増田さんは、日本酒の味は「どこで」「誰と」「どんな場面で」飲むかによって変わるのだと仰います。日本酒を体験として届けたいのは、そういった場面によって日本酒を楽しんでいただきたいからだと、日本酒に対する熱い想いを語っていただきました。
吃驚仰天 × チーズケーキ
増田さんにイチオシのペアリングは何かと尋ねると、「吃驚仰天」と「チーズケーキ」のペアリングだと即答されました!甘酸っぱい低アルコールな純米酒とチーズケーキを一緒に口に入れると……びっくり仰天!お酒とケーキが混ざり合い、溶けてなくなるのだそうです。
取材から帰ってすぐ、スタッフみんなでペアリングをしてみました✨
甘いチーズケーキと、甘酸っぱい吃驚仰天の味が相性バッチリでした!
代表銘柄「月の桂」
純米中汲にごり酒【スパークリング生酒】
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